首都圏不動産 Tokyo-realestate

首都圏の不動産投資やお部屋探しについて書いてます。

不動産ファンド

昨日はJリートについてチョット裏情報も含めて書きましたが、Jリートの運用会社と不動産ファンドについて少し突っ込んで書いてみたいと思います。

Jリートの情報は開示されっているので、時間があれば昨日ご紹介した「Japan REIT」で投資法人の概要を見てもらいたいんですが。

まず、資産運用会社ってのがあります。これがアセットマネージャーです。物件の取得から期中管理・運用と売却までを担います。

で次に上位株主ってのがありますが、これが運用母体です。

ここでその資産運用会社が何系なのかがわかります。

不動産系や生保損保系、証券会社系、独立系、外資系などなど。

投資法人の名称ではピンとこないのでこれで確認するんですね。面白いのはいくつかの投資法人に出資している会社もあれば、同じ財閥系でも違うところに出資していたり、一度コケたときに合併や引受で名称が??とか「いちご」とか「アップルリンゴ」?!りんごと林檎?とかあります。

なんだかそれだけで投資意欲を失いかねないような…

母体が財閥系や不動産系だと系列の不動産会社で土地から仕入れて、建築して一度私募運用からのリート組み入れとか元々の所有建物を直接リートへ組み込みとかが多いです。

まぁこの方が安心かなぁ。って感じですね。

大手ですので長年培った信用を毀損するわけにはいかないので、いい加減なものは組み込まないと信じましょう。

どんな建物をいくらで取得したか、その鑑定評価額は?ってところも「資産の取得に関するお知らせ」で開示されています。

えーっとここを眺めていたら、MIDリート投資法人ってのがあるんですが、ここがまた禁じ手をやってしまいました。。

記事はこちら

MIDリート投資法人(MID)がスポンサーのMID都市開発と物件入替をすることを発表した。

MIDが取得する物件は、大阪市営地下鉄肥後橋駅より徒歩1分、平成22年竣工11階建オフィスビル。取得時の稼働率は93.1%想定。取得価格は30億円。想定NOI利回り非開示だってさ!

一方、MIDが売却する物件は、大阪ビジネスパークにあるパナソニック大阪京橋ビル。一括テナントであるパナソニック(株)が5月末退去予定であり、昭和49年竣工と築年数が経過している点から、スポンサーサポートを活用して売却を決定。これに伴い第14期(平成25年6月期)業績予想を修正。パナソニック大阪京橋ビルの売却損1,318百万円計上により、従来予想比94%減益、1口当たり分配金は418円となる見通し。

MIDリートって母体がMID都市開発で、遡ると松下興産なんですよ。松下興産松下グループ=現パナソニックグループで、今は関電グループらしいですがどっちにしたって松下の系列みたいなもんでしょ!

MIDに買い戻しで13億円の損失!!!隠蔽するかのように売却と取得を同時にやって入れ替えって体裁を整えていますが、大口顧客には先に承諾を得て、一般投資家はうへっ!って感じですよね。

しかもパナソニック大阪京橋ビルって松下興産時代に建てたビルだし、バブル期に過剰投資して分割した生き残りがMIDで片方は1,500億円もの負債を抱えて特別精算した会社なんですよww。

もう信用度はゼロというか、言っちゃなんですが、松下(パナソニック)は不動産やっちゃダメでしょ。向いてないんだよ。

一度オフィスを系列子会社が借りにきましたが、まぁ~殿様ですから、松下は!

大手家電メーカーは工場やら社宅なんかを全国に保有していたんで、系列に不動産会社があるんですよね。あと割賦販売の関連からか信販会社とか。日立も東芝もあるんですよね。でも親会社の資産管理がメインなんで、あまり知られていないかもですが。

このように運営母体によって特色もありますので昨日Jリートを勧めましたが、その内容は精査が必要です。でもクローズドではないのでしっかり読み解けばいいのではないでしょうか。

次にリーマンショック以降の合併・再編について見てみたと思います。

Wikiより

日本リテールファンド投資法人ラサール ジャパン投資法人と合併

②ユナイテッド・アーバン投資法人日本コマーシャル投資法人と合併

日本レジデンシャル投資法人、新設合併によりアドバンス・レジデンス投資法人として上場

④東京グロースリート投資法人、エルシーピー投資法人と合併し、インヴィンシブル投資法人へ商号変更

ニューシティ・レジデンス投資法人ビ・ライフ投資法人と合併。2011年12月1日、大和ハウス・レジデンシャル投資法人に商号変更

クレッシェンド投資法人、ジャパン・シングルレジデンス投資法人と合併、平和不動産投資法人へ商号変更

⑦プロスペクト・レジデンシャル投資法人、旧リプラス・レジデンシャル投資法人日本賃貸住宅投資法人と合併

⑧ジョイント・リート投資法人積水ハウス・SI 投資法人へ商号変更

⑨いちご不動産投資法人、旧FCレジデンシャル投資法人と旧いちご不動産投資法人FCレジデンシャル投資法人を存続投資法人として合併し、いちご不動産投資法人へ商号変更

⑩ジャパン・ホテル・アンド・リゾート投資法人日本ホテルファンド投資法人と合併。合併後の投資法人名は、ジャパン・ホテル・リート投資法人

合併前に上場廃止したところやヤバくなって急いで合併したところばかりです。

独立系だけではないんですよねぇ~。ラサールとかニューシティとか外資系の不動産のプロですよ!ジョーンズアンドラサールとかシービーリチャードエリスとかググってみたらすぐわかります。

昨日は仕入れ(アクイジション)の実態に触れましたが、当時ファンドで実際に勤務していて金融のプロはいましたけど、不動産のプロは??でしたね。

コンサル上がりも沢山いましたけど、不動産実務を経験してないので机上のロジックは見事でしたが、実際の運用は…

だから海千山千の仕入れ担当に誤魔化されちゃったんですよね。

また、当初は10年スパンくらいの保有を前提にしていたのに、バブル期と同じように短期転売でのキャピタルゲイン目的のビジネスモデルになっていったんです。

特に初期のリートは私募ファンドの出口として利用された側面もありました。

要は機関投資家(生保や年金など)のエクイティとノンリコで物件を取得して、3年~5年でリートへEXITすることでで償還するはずが、不動産ファンドバブルになってくると仕入れ値と鑑定評価額の差益がとれればどんどん放り込んでましたから。

外部成長と内部成長ってのがあるんですが、AUM(運用資産額)の増大=どんどん仕入れることが外部成長で、内部成長はリノベやコンバージョンなどで賃料収益を上げたり稼働率の改善、運用コスト削減が内部成長なんですが、内部成長なんてくそくらえ!って風潮でしたから。

投資家への説明会ではパワポでいかにも!ってご説明してましたが、それは建前で、兎に角、物件取得すればフィーが入り、運用すればまたフィーが入り、売却すればまたフィーというビジネスですから、しかも運用以外のほうがフィーが大きんですよ。

本音は「いいんだよ!鑑定評価が出てるんだから、高買いしたって。」「決済できれば儲かるんだから。」「鑑定評価額以上でリートへ卸せば投資家も喜ぶし問題ないんだから!」ってことです。

そんな会社はリーマンショック以降、淘汰されたと信用できればいいんですがねぇ。

ずーっとこの業界にいて、PMもやっていた関係で今でも注視している会社でケネディクスってあるんですが、ここはカタいですね。独立系ですけどオフィスにレジ、ロジスティクスもそれぞれ投資法人がありますが、安定してます。利回りも上位です。株価によっては買いでしょう。

まぁ、今日はこんなところで