昨日の不動産鑑定と不動産査定はいかがでしたでしょうか?
鑑定方法にはいくつかあり、DCF法や収益還元法だと確度が高くなるんですが…
その前提にある収益(賃料)は査定であるという矛盾。。
その他にも賃貸経営には様々なリスクがあるのは、もうご存じですよね。
でもそのリスクについては一般論だけで、個別に対象案件を調査・分析し判断するのはご自分でしかないんです。
この業界にいつの間にか20年も携わっていて、プロフィールにも書いたように様々な不動産関連職種に従事してもまだまだ奥が深いです。
先日のプレイヤーでも触れましたが、売る人、買う人、貸す人、借りる人に仲介会社と営業マンがいて、それぞれの事情で介在するという難しさ。
だからセミナーが流行るんでしょうね。(笑)
でも私くらい色々な立場を経験している人はいないと自負しておりますが。。
さて、前置きはこのくらいで資産運用のプロはどのようにやっているのか?これはご存じですか?
あるところのですが。
私募ファンドのアセットマネジメントサービスですね。
運用(保有)期間が3~5年と短期で考えており、物件買い付け(入口戦略)から物件売却(出口戦略)までで構成されています。この辺りが個人所有とは違うところでしょうか。
では個別に見ていきますね。
・運用対象物件の検討
これは資産運用会社の投資委員会なるもので検討し決定します。
この時には
・売主との交渉・調達(物件ソーシング)
・エイクイティ比率や
・デットの調達金利とファイナンスアレンジ(ノンリコースローン・メザニンローンなど)
・ブツ周りの調査(デューデリジェンス、エンジニアリングレポート、レントロールなど)
を終わらせてシュミレーションしてます。
まぁここは不動産屋ではなく金融屋さんの領域ですね。
不動産屋さんの領域は想定賃料と想定稼働率、マーケット特性について投資委員会で述べるくらいでしたね。
あとはPM会社とのPM契約のドキュメンテーションですかね。
これがまた大変でした。。
信託銀行とPM会社との契約書なんですが、PM会社も大手になると法務部ってもんがありまして。
信託側は投資家保護の大義名分を元にリスク回避のため出来る限り、問題が生じたときはPM会社が被るように契約書を作成してくるんですが、PM会社の法務部が了承しなくて決裁ギリギリまで言い回しを散々変えましたっけ。
それと物件評価ってのが鑑定評価です。
これで決裁が終われば、運用していきます。
リーマンショックみたいなことがなければ期中管理はそれほど面倒ではないです。だから東京以北の40棟以上もみてられたんですがね。
想定稼働率以上の稼働率の確保(大体1棟ものの想定稼働率は91~92%くらいでした。)と想定賃料を下回らないようにバリューアップやコンバージョンの提案が主で、その他の修繕費や資本的支出(CAPEX)とかPMフィーや税金・保険の類は全てシュミレーションで組み込まれていましたので問題は生じなかったです。
個人ではそこまで緻密にはできないかもですね。
あとは入出金管理(アカウンティング)と投資家や金融機関への運用レポーティングとPM会社へのヒアリングと指導・監督でしたね。
そいて案件ごとに運用実績の理由をレポートします。
まぁざっくりですが今日はここまでにします。
また、明日。